総合10位に滑り込み、18年連続シード権を獲得した東洋大は8区(21・4キロ)で区間賞を獲得した木本大地(4年)の活躍が大きかった。

12位でたすきを受け取ると順位を1つ上げ、一時は2分近くあった10位との差を33秒まで縮めた。「東洋らしい、前を追う攻めの走りを、と思っていた」とうなずいた。

左腕には「その1秒をけずりだせ」のチームスローガン、そして右腕には「恩返し」の言葉を乗せて疾走した。

レース直前に同級生の長尾大輝マネジャーに書いてもらったそうで、「多くの人に支えられてこの舞台に立っている。最後にその恩を返すためにとお願いした」。その気持ちを走りでも“体現”した。

4年生の代には、区間賞を獲得した選手がこれまでいなかったという。大会前から同級生たちと「最後に1つは取ろう」と気持ちを高め合っていたと明かす。1時間4分16秒で法大の宗像直輝と区間首位を分け合う形となったが、「素直にうれしい」と喜んだ。

強豪だが、往路で一時19位に沈むなど苦戦を強いられた。11位で終えた前夜には「シード権ではなく5位以内を狙っていこう」とチームで意思統一。木本の直後を走った9区梅崎蓮(2年)がさらに順位を上げ、シード圏内へと浮上した。【奥岡幹浩】