日本陸連の瀬古利彦副会長(66)が、26日開催の大阪マラソン(大阪府庁前~大阪城公園前、42.195キロ)の招待選手発表会見に出席。大阪陸上競技協会の竹内章専務理事(70)に異例の「コース変更」をお願いした。

前回大会でびわ湖毎日マラソンと統合して以降、競技マラソンとしての面も持ち合わせるようになったが、同時期に開催される東京マラソン(3月5日、東京都庁~東京駅前・行幸通りの42.195キロ)に有力選手が集まる傾向がある。

今大会でも、日本記録保持者の鈴木健吾(27=富士通)や、20年東京マラソンで自己最高2時間5分29秒の記録を出した大迫傑(31=ナイキ)は、大阪ではなく東京を選択した。

瀬古氏は、理由は記録の出しにくいコースにあると類推する。

大阪マラソンは、大阪市内を行ったり来たりするコースで、折り返し地点が5回もある。加えて、坂もある。

瀬古氏は「エンジンを落としてもう1回上げないといけないから力もいるしリズムも狂う」と指摘。

「大阪には申し訳ないけど坂があったり折り返しがあったり…。30キロ過ぎたくらいからの坂ね。あそこ削って、もうちょっといいコースに(してほしい)ね」

こう発言した瀬古氏から、目線を送られた竹内氏は「来年はいいコースで」と前向きな検討を二つ返事でOK。周囲を驚かせた。

実際に、コース変更は難しくないと竹内氏。

「さすがに坂を削るのは無理ですけど」と苦笑いを浮かべながらも「コースを変えるのは(管轄の)警察署と交渉したらできる」ときっぱり。距離の測定も「今は自転車だからすぐですよ」とした。

都市型市民マラソンだった同大会で、日本のトップランナーの姿を見られる日は、そう遠くないかもしれない。