仙台育英(宮城)時代の同期を倒す! 明大・堀颯介(1年)は初出場となった1月の箱根駅伝で、山下りの6区(20・8キロ)を59分33秒で駆け抜け、区間8位の力走。チームは総合12位でシード権を逃したが、上々のデビューを飾った。一方、高校でチームメートだった中大・吉居駿恭(1年)は、4区(20・9キロ)区間5位で総合2位に貢献。駅伝の実績、トラックのタイムで同期に劣る堀は、対抗心をメラメラと燃やしている。

堀は少年時代から憧れていた紫紺のユニホームをまとい、箱根の山を駆け降りた。「明治の一員として走れてうれしかったですし、テレビで応援していた大学のユニホームを着て走れて、今までの駅伝の中では一番楽しかった」。区間8位の走りで復路スタート時の12位を最低限キープ。その上でシード圏内となる10位との差を52秒縮めた。「1年生で走れたのは大きかった」。昨年10月の出雲、11月の全日本は不出場だったが、今後につながる大学駅伝デビュー戦となった。

貴重な経験を積んだ。山本佑樹監督(45)から6区での出場を言い渡された瞬間は「めちゃくちゃ緊張した」という。それでも、レース当日は「楽しんで走ろう」と自分に言い聞かせ、前を行く大学の背中を追いかけた。来年は「チーム状況的に6区で流れをつくりたい思いもありますが、いずれはチームのエースとしてやっていきたいので、往路にいきたい」。主力として明大を引っ張っていく責任感も芽生えた。

往路を希望する理由はもう1つある。仙台育英時代の同期、中大・吉居駿が4区を区間5位で走って総合2位に貢献。刺激を受けないはずがなかった。「自分の最大の目標は吉居駿恭を倒すこと。まずはあいつに負けないように、トラックでもロードでも勝てるように、そこを目指してやっていきたい」とライバル視。闘争心に火が付いた。

両者の自己ベストを比べると、分が悪いのは明らかだ。堀が5000メートルで13分58秒00、1万メートルで28分40秒90なのに対し、吉居駿は13分40秒26、28分6秒27と先を行く。だからこそ「5000は13分30秒切り、1万に関しては27分台を4年間で目指したい」。高校時代から負けたままでは終われない。必ず追いつき、追い抜いてみせる。【山田愛斗】

◆堀颯介(ほり・そうすけ)2003年(平15)10月25日生まれ、宮城県亘理町出身。亘理中、仙台育英を経て22年に明大入学。自己ベストは5000メートルが13分58秒00、1万メートルが28分40秒90、ハーフマラソンが1時間4分15秒。172センチ、53キロ。血液型A。