日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(66)はレース後、記者会見を開き、好タイムが相次いだ今大会を総括して「パリ・オリンピック(五輪)へ光明が見えてきた」とコメントした。

6位に入った西山和弥(24=トヨタ自動車)が初マラソン日本最高記録を出すなど、7位の池田耀平(24=花王)とともに2時間6分台の好タイムを出し、若手の活躍が目立った。

男子9人、女子2人の計11人が、24年パリ五輪の出場権を争う代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(10月15日、東京)の出場権を新たに獲得した。

同リーダーは「初マラソンの2人(西山、池田)が走ってくれ、見ていて夢を感じた」。昨年の大会で星岳(コニカミノルタ)が、当時の初マラソン日本最高記録(2時間7分31秒)を樹立し、「他の選手も自信になったはず。彼のタイムが1つの目標になった」と、相乗効果を口にした。

同じく会見に出席した高岡寿成・中長距離マラソン担当シニアディレクター(52)は「昨年の大会で2時間7分台が出たので、大阪は難コースではないという印象になり、今大会に力のある選手が集まり、多くの選手が記録を伸ばすことになった」と分析した。

高岡氏が監督を務める花王の所属選手、池田が好結果を出したことに、瀬古氏から祝福されると「ありがとうございます」と笑顔を見せていた。