大阪マラソンは、若手ランナーの激走で幕を閉じた。

男子は、初マラソンの西山和弥(24=トヨタ自動車)が初マラソン日本最高の2時間6分45秒をマークして、日本人トップの6位でゴール。同じく初挑戦の池田耀平(24=花王)も、背中を追って8秒遅れの7位に入り、注目を集めた。

今大会は上位11選手が大会記録を上回り、8位の大塚祥平(28=九電工)も2時間6分57秒をマーク。ハイレベルなレースとなった。

女子も、渡辺桃子(24=天満屋)が2時間23分8秒の快走を見せた。自己ベストを7分34秒更新して、日本勢トップの3位。24年パリオリンピック(五輪)代表選考会で、今秋開催の「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」出場権も獲得した。

折り返しが5回あり、坂も多いなにわ路。日本陸連の瀬古利彦副会長からは「もうちょっといいコースに(してほしい)ね」と指摘されていた。それでも、終わってみれば、大記録の連続。

大阪陸上競技協会の竹内章専務理事は「男子は(2時間)6分台(の日本人選手)が3人! すごいですね。女子もいいタイムを出してくれた」と感服した様子だった。

もともと、同大会は市民参加型マラソンとして誕生したが、昨年、五輪の代表選考レースなどとして開催されていた「びわ湖毎日マラソン」と統合。トップランナーが参加する大会に生まれ変わった。

統合後初の開催となった昨年は、初マラソンの星岳が2時間7分31秒をマーク。今大会で西山が塗り替えるまで、初マラソン記録日本1位に君臨していた。

統合後2年連続の快挙に、竹内氏は「初マラソンの登竜門になっている」とにっこり。国内主要レースとしての存在感が強まる中で、竹内氏は、より記録を期待できる大会へのリニューアルに意欲を高めた。

「コース変更考えてますよ。カーブを作って折り返しを少なくするとかね」

大阪の名所を巡る点は残しつつ、選手を思いやるコースに修正する考え。瀬古氏からの言葉を生かし、国内最大規模の東京マラソンに匹敵するような大会の実現を目指す。【竹本穂乃加】