青学大の新潟県出身選手が地元のロードで学生最後のランを見せた。マラソンの日本学生記録保持者の横田俊吾(4年)と、箱根駅伝2年連続区間賞の岸本大紀(同)だ。大会を盛り上げるためのゲストランナーとして参戦。練習不足もあり、横田が1時間8分6秒で25位、岸本は1時間13分23秒で76位だった。2人はそれぞれ進む社会人でマラソンを舞台にライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)する。もう1人のゲストランナー、箱根5区区間新の山本唯翔(城西大3年)は1時間9分28秒で40位に入った。

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フィニッシュラインをゆっくり駆け抜けた横田が、先にゴールした走者にかけた言葉は「きつかったッス。マジで」だった。調整なしに臨んだ地元のレースの順位は25位。しかし「原点に近い」というデンカSのゴールに顔つきは明るかった。同僚の岸本の走りを「7キロくらいからずっとキツそうな顔をしていた。普段は見られない顔なので『楽しいな』と思って走っていた」と冗談っぽく評した。

横田は2月の別府大分毎日マラソンで2時間7分47秒をマークして日本学生記録を20年ぶりに塗り替えた。学生初の7分台突入。JR東日本に進むが、24年パリオリンピック(五輪)代表選考会のMGC(10月)の出場権も得た。箱根駅伝2年連続区間賞(22年7区、23年9区)の岸本もGMOインターネットグループではマラソンに重点を置く意向だけにジョークでけん制。「岸本もマラソンで勝負してくると思うけれど、まだ来ないでほしい。どうせ、コイツには勝てない。もうちょっとトラックで頑張ってほしい」と言った。岸本は「同じ土俵で切磋琢磨(せっさたくま)する関係」と社会人では刺激し合うつもり。

地元の声援は温かかった。岸本は「ボロボロの走りだったけれど、声援のおかげで最後まで走り切れた」と言った。胸に「青山学院大」と記したユニホームを着る最後のレースが地元の新潟ハーフマラソン。同じ新潟県出身で4年間一緒に大学で過ごした仲間は社会人ではフルマラソンを舞台に火花を散らす。横田は「2人がマラソンで活躍したら、新潟のみなさんに『頑張っている』と知ってもらえる。マラソンでワンツーを取りたい」と思いを新たにしていた。【涌井幹雄】

■箱根5区区間新の山本「来年も呼んで」

1月の箱根駅伝の5区で区間新を樹立した“山の妖精”山本は「たくさんの方々に応援してもらったおかげで完走できた」と沿道の声援に感謝した。十日町市出身で開志国際卒。地元のレースは大学入学後、初めてで「元気な姿を見せられた」と喜んだ。4月から最終学年の4年。「来年も呼んでほしい」と山本は主催者に出場アピールしていた。