「セイコーゴールデングランプリ陸上2023横浜」が21日、日産スタジアムで開催される。男子100メートルには、昨年7月の世界選手権(米オレゴン州)金メダリストのフレッド・カーリー(28=米国)が参戦。9秒台が飛び出すか、注目が集まる。日本からは坂井隆一郎(25=大阪ガス)と桐生祥秀(27=日本生命)が出場し、王者に挑む。

世界王者が横浜にやってくる。身長191センチのカーリーは、序盤から前へ出るスタイルが持ち味。昨年夏の世界選手権決勝では、7位となった日本のサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)に0秒20差をつける9秒86で優勝。同6月に記録した9秒76は、昨季の世界最高タイムとなっている。

ワールドクラスのレースが予想される戦いに、2人の日本人スプリンターが挑む。日本歴代7位タイ(10秒02)の自己ベストを持つ坂井は、順調にシーズンイン。今季初戦となった4月16日の出雲陸上で100メートルを制し、今月6日の木南記念でも10秒12で優勝した。自身も「去年よりも全然走れている」と手応え。低い姿勢でのスタートに重点を置き「出てから6歩まで低く」を意識する。現在の体重は昨年より3キロ増の67キロ。「パワーアップして、9秒台を出せるように」と意気込む。昨年の世界選手権準決勝で敗れたカーリーとの対決へも「差がどれだけ埋まっているか確認したい」と意欲十分だ。

復活ロードを進む桐生も争いに加わる。昨年6月から、国指定の難病「潰瘍性大腸炎」の影響などで休養し、今年3月に実戦復帰。木南記念の100メートル予選では、10秒03をマークした。20年8月以来の10秒0台に「想定以上」と笑顔。体に痛みもなく「どこもケガなく走れているのは2、3年ぶり」と充実感を漂わせる。今季の目標には10秒切りを掲げており「9秒台を出せばリオデジャネイロオリンピック(五輪)や東京五輪の時のように、また陸上が盛り上がる。帰ってきた速い桐生を見せたい」と気合を入れる。

8月の世界選手権(ブダペスト)まで約3カ月。来夏のパリ五輪までは1年3カ月を切っている。世界を見据える男子短距離陣が、横浜で火花を散らす。

【日時】 5月21日(日)午後1時30分競技開始

【会場】 日産スタジアム

【種目】 ▽男子=100メートル、400メートル、3000メートル、110メートル障害、400メートル障害、3000メートル障害、走り高跳び、走り幅跳び、やり投げ ▽女子=100メートル、1500メートル、3000メートル、100メートル障害、走り幅跳び、やり投げ

【テレビ放送】 TBS系列生放送予定

【大会HP】 http://goldengrandprix-japan.com/