女子5000メートル競歩は会津学鳳(福島)・久家すずか(3年)が、12年ぶりの大会新記録となる24分3秒43で2連覇を達成した。

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5000メートルを堂々と、淡々と歩き切った。久家は序盤から先頭に立ち、レースの主導権を維持。「落ち着いて、自分のペースを刻もうと思って歩いていました」。県大会で歩型違反を受けたこともあり、今大会は歩型を重視。「最初から(ペースを)速めに行って、歩型を意識する」と、迅速かつ丁寧な競歩に徹した。

プラン通りのレース展開で迎えたラスト1周。運営ミスで、あと1周を知らせる鐘が鳴らないアクシデント。だが、戸惑いはなかった。「タイム的に『鳴るはずなんだけどなぁ』とは思って…(笑い)」。自分のペースを信じ、トラック12周半ぴったりでゴール。ペースを守り抜いて24分3秒43をマーク。11年の24分12秒50の大会記録を9秒07更新。昨年は大会記録に約30秒及ばない24分42秒00での優勝だっただけに、久家は「大会新は絶対出したかったので良かった」。ゴール後、スタンドに目をやり、レースを見守った両親に手を振った。優勝に「とても安心しました」と笑顔。納得の歩きで大会連覇を果たした。

昨夏の全国高校総体では23分58秒39で6位入賞。自己ベストは今年5月の会津地区予選会の23分24秒12だけにまだまだ発展途上。全国に向け「これからもっと頑張って自己ベストを出せるように。今年のインターハイは自己ベストで、去年より高い表彰台に上りたいです」。さらに上を目指し、1歩1歩踏みしめる。【濱本神威】

○…女子400メートルで山形中央・赤坂美結(3年)が200メートルとの2冠に向けて好発進した。自己ベストを0秒03更新する54秒82で独走優勝。決勝はアウトコースの7レーンからスタートし、150メートル付近でトップに浮上。危なげないレース運びで2位に1秒11差をつけて先着した。「予選と準決勝で自分の走りがあまり良くなかった。決勝でタイムが出るか不安だったが、切り替えることができてうれしい」と笑顔を見せた。

予選58秒94、準決勝57秒99と出場した組ではトップ通過。だが、満足いく出来ではなかった。同じ短距離専門の姉美玲さん(福島大1年)から準決勝後に「楽しんで走ってきな。大丈夫だよ」と励ましの電話をもらい、力に変えた。「東北大会で記録を出さないとインターハイは苦労するなと…。ここでガツンといこうと思った」と最低限の目標の54秒台で優勝した。

○…女子やり投げで福島明成・野地菜那(2年)が43メートル36で優勝した。1回目が36メートル08で「『やばいな』と追い込まれていた」。だが、2回目で結果を出し、2位に1メートル56差をつけた。福島県高校総体では自己ベストの45メートル04をマークしただけに「優勝できてうれしい気持ちもあるが、自己ベストを出せなかったのは悔しい」と振り返った。