常盤木学園(宮城)・千葉安珠(あんじゅ、2年)が女子100メートルを自己ベストの11秒84(向かい風0・1メートル)で優勝し、大会新記録の46秒40で頂点に立った400メートルリレーとの2冠を達成した。

常盤木学園・千葉が代名詞の笑顔を咲かせた。女子100メートル決勝。ほかを寄せ付けない爆発的なスピード、力強い腕振りで号砲直後にトップに立ち、後続を突き放した。2位の秋田令和・三浦夏恋(3年)に0秒21先着。最後は両手で力強いガッツポーズを決めた。

優勝した今月上旬のU20日本選手権でマークした自己ベストを0秒02更新。「(大学生ら)強い選手と戦ったU20で勝てたなら、同じ高校生には勝たないといけない。勝たないといけないところで勝ち切れて、気持ちのつくり方も良かったと思う」。3走で出場した400メートルリレーに続いて2冠に輝いた。

この日は100メートルの予選、準決勝、決勝、400メートルリレー決勝と計4本のレースに臨んだ。午前中は大雨で、特に体を冷やさないよう心がけ、走り終わると、すぐに足を上げて乳酸をためないことを意識。前日夜から体の状態に合わせたアイシングなど、細かいスケジュールでケアを行ってきた。「疲れはあった」ものの、「自分の体をコントロールすることができた」と計400メートルを完走した。

昨年の東北高校陸上は100メートルで7位。あと1歩で全国切符を逃した。初出場の全国高校総体では「優勝が最大の目標ですが、今のタイムだと厳しいので、しっかりここから上げていきたい」。100メートルの常盤木学園記録は佐藤美里(現中大2年)が21年にマークした11秒74。「その記録を更新できたらインターハイに向けて自信になる」と先輩超えを狙う。今日17日からの200メートルにもエントリー。短距離3冠も射程圏内だ。【山田愛斗】

女子400メートルリレーで優勝した常盤木学園1走・板橋瑠花(3年)「今日は雨が降っていて、とにかくバトンをつなぐというのを目標にいい形でできた」

2走・大槻ゆめ(3年)「バトンパスをいつも以上に正確にと心がけ、どの区間もプラン通り、大きなミスもなくて良かった」

3走・千葉安珠(2年)「バトンをもらう前は冷静で、バトンをもらってからスイッチを入れるイメージで走れた」

4走・浅野結(3年)「自分たちのベスト(45秒97)からすると、いいタイムではないが、うまくバトンがつながって良かった」

 

○…女子1500メートルは、山形中央・柏倉四季(2年)が100分の1秒差で笑った。4分30秒43で優勝し、2位の仙台育英(宮城)・渡辺来愛(くれあ、3年)が4分30秒44で続いた。残り100メートルで渡辺らと並走。ゴール手前でわずかに前に出た。4位・壁谷衿奈、8位・水越麻衣(ともに3年)を含む仙台育英勢を抑え、「正直、勝てるとは思っていなかったので、自信になりました」と力を込めた。

仙台育英・渡辺来愛(3年、女子1500メートルで2位)「3人でインターハイ出場をずっと目標にしていた。(壁谷)衿奈と2人で(水越)麻衣の分まで絶対に入賞できるように頑張りたい」