2大会連続出場の秦澄美鈴(27=シバタ工業)は6メートル41で予選敗退した。

冒頭2回の試技はファウル。勝負をかけた3回目の跳躍でも本来のジャンプができず、決勝進出ラインに届かなかった。「自分の良い跳躍を記録にすることができなかった。悔しい気持ちと言葉にならないような思いです」と声を落とした。

秦は7月14日のアジア選手権(バンコク)で6メートル97(追い風0・5メートル)の日本新記録を樹立。24年パリオリンピック(五輪)の参加標準記録(6メートル86)も上回った。

入賞やメダル獲得の期待も高まる中での世界選手権。「ピットに立つ前までは違いを感じることはなかったんですけど、ピットに立った時にこのメンバーでも肩を並べられると思った」。確かな自信が胸を覆っていた。

ただ、結果には結びつかなかった。昨夏の世界選手権に続く予選敗退。1年前は大会後に落ち込むこともあったが、この夏は前を向こうとしている。

「去年とは違う気持ちというか、悔しいですし、情けなかったりとか、いろいろな気持ちはありますけど、去年とは違って課題が見えたかな」

来夏にはパリ五輪が控える。初の五輪へ「ちょっとずつ世界の舞台に立つことができている」とうなずいた。

大ジャンプとはならなかったが、抱いた実感を成長へとつなげていく。