【ブダペスト=藤塚大輔】この種目で日本勢初の2大会連続決勝進出を遂げていたサニブラウン・ハキーム(24=東レ)が6位に入賞した。10秒04(無風)をマークし、昨夏の7位から1つ順位を上げた。
これまで、オリンピック(五輪)を含めた世界大会の男子100メートル日本勢最高位は1932年ロサンゼルス五輪の「暁の超特急」吉岡隆徳による6位だったが、ほぼ1世紀となる91年の時を経て、サニブラウンが肩を並べた。
レース後の主な一問一答は以下の通り。
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-今の感想はいかがですか。
サニブラウン めちゃくちゃ悔しいです。
-走り自体はいかがですか。
サニブラウン いやー、ちょっとダメダメだったかなって思います。前半から作っていければ、集団と一緒に40から60(メートル)を抜けてこれたので。それがしっかり出来ないと、前半から離されて終わりなので。こういうところでしっかりそろえてくる人たちがメダルを取りますし、勝つんだなって思います。今年も再確認したような感じですね。
-準決勝はどのように振り返りますか。
サニブラウン コーチからは指摘はされたんですけど、大まかにレース全体を見たらうまく満足した走りが出来たのが準決勝かなと思います。
-準決勝で9秒97を出して、着順で決勝へ進出したことについてはどう捉えていますか。
サニブラウン 去年よりは1ステップ上がったかなと思います。
-決勝での順位も昨年の7位から1つ上がりました。
サニブラウン はい。ざんげ室に行かなくて良かったなって思います(笑い)。
-去年の悔しさと比べるとどうですか。
サニブラウン 今年の方が悔しいです。調子が去年より良かったのもありますけど、去年は満身創痍(そうい)の状態で決勝に挑んで、メンタルもそうですし、体もリセットがうまくできないところで挑んだので。今年は去年よりも時間があり、コンディションも悪くなかったので、その中で最大の結果というか、パフォーマンスが出来なかったのが悔しいです。
-パリ五輪の参加標準記録(10秒00)も切りました。来年の五輪へ向けてはどう臨んでいきますか。
サニブラウン そういえば切っていますね。まぁ、どうだろうな、とりあえずは今季ケガせずに終わるのが一番かなと思います。
-2大会連続で決勝へ進出したことはどう評価されていますか。
サニブラウン もちろん、自信にもなりますし、どういう流れで持っていけるのかも分かりましたし、自分がこの舞台でどれだけやれるのかも再確認出来たので。去年よりもものすごく余裕を持って、決勝には挑めているので。生きてくるかなと思います。
-去年の決勝は「覚えていない」と仰っていましたが、今大会は楽しめましたか。
サニブラウン 今年は準決勝を抜けたところで、結果はメダルもかかっていますけど、一番は陸上競技を楽しもうというのが自分としての課題だったので。去年よりスタジアム式で、人も入っていて歓声もものすごく聞こえてくる感じだったので、自分としてはものすごく楽しかったですね。
-今季は前半がなかなか結果もふるわない中で、世界選手権で結果を残せたことはどう捉えていますか。
サニブラウン コーチを信じてしっかり練習していただけかなって思います。そこに関してはプランニングしてやられているので、コーチのプラン通りで何も考えていなかったです。
-焦りはなかったんですね。
サニブラウン はい。
-400メートルリレーに関してはどうお考えですか。
サニブラウン リレー、1週間後くらいですか? しっかり休んで、しっかり調整して、日本はほんとに金メダルを取れる位置にいるので、みんなでしっかりやることやって、パフォーマンスを決勝目指して合わせられるように仕上げていければと思います。