【ブダペスト(ハンガリー)=藤塚大輔】女子中距離の田中希実(23=ニューバランス)が女子5000メートルで14分37秒98の日本新記録を樹立した。

21年東京オリンピック(五輪)で廣中璃梨佳(22=日本郵政グループ)がマークした従来の日本記録(14分52秒84)を約15秒も更新。6位に入り、3大会連続の決勝進出を決めた。

レース後は大量の汗を流しながら「日本記録は狙っていたんですけど、(14分)30秒台のタイムは自分でも予測してなかった。40秒台前半はハマれば出ると思っていたんですけど、一気に30秒台までいけたのですごくうれしいです」と充実感を漂わせた。

20日(日本時間21日)の女子1500メートルで準決勝敗退してから3日。東京五輪の5000メートル、1万メートル2冠のシファン・ハッサン(オランダ)が序盤で前へ出ると、田中も2番手で追った。そのまま前半を折り返すと、中盤以降は6番手をキープ。最後まで引き離されなかった。

「タイムとしての実力は今の100点満点をまずは見せることができた。自分でも見ることができたので良かった」

言葉には確かな手応えがにじんでいた。

26日午後8時50分(日本時間27日午前3時50分)からは決勝に臨む。

これまで同種目での入賞はない。「入賞を狙っていきたい」と堂々と言い切った。