21年東京オリンピック(五輪)男子20キロ競歩銅メダルの山西利和(27=愛知製鋼)が13日、都内で、25年に開催を予定している世界選手権東京大会をちょうど2年後に控えて行われたシンポジウム「TOKYO FORWARD 2025」に出席した。

シンポジウムでは女子5000メートル日本記録保持者の田中希実(24=ニューバランス)らとトークショーを行った。先月まで開催されていた世界選手権ブダペスト大会では3連覇を目指したが、24位と惨敗した。「3連覇を意識して出場したが、思ったようなパフォーマンスができなかった」と悔しさを口にした。

もっともすでに気持ちを切り替え、視線は24年パリ五輪、25年世界選手権に向いている。「今までで一番、大事なことが何か、今の自分に何が足りないかを見つめるきっかけになるレースだった」と納得のいかない結果の中でも収穫を得た。「次の機会に生かしていくことが、このレースにも意味があったと言えるようになる」と無駄にはしない覚悟だ。

今年残り約4カ月は主要な大会には出場せず調整に充てる。「オレゴン(22年世界陸上)が終わってから練習の量と質が足りなかった」とこの1年を振り返った。巻き返しへ「1周回ってベースの部分に戻ってきている。改めてしっかりと作り直したい」。世界選手権2連覇の実力者は次なる大舞台へ爪を研いでいる。