新谷仁美(35=積水化学)は2時間23分8秒で11位となった。

アテネオリンピック(五輪)同種目金メダルの野口みずきが05年に樹立した日本記録(2時間19分12秒)の更新はならなかった。

レース序盤は快調なペースで入るも、ハーフを1時間9分47秒で通過。18年前の野口の記録を28秒下回ると、後半でもペースを上げられなかった。

1月のヒューストン・マラソン(米国)で12秒差で記録更新を逃した新谷は、パリ五輪を目指さない意向を公言。10月15日開催のパリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)の出場を辞退し、雪辱の舞台に懸けてきた。

今夏は6月末から9月上旬まで長野・湯の丸で合宿を敢行し、後半の持久力を高めるために筋力を強化。標高1900メートルほどの高地で、アップダウンのあるクロスカントリーのコースを活用し、起伏のあるコースへの対応力を磨いていた。

レース前日の23日には自身のX(旧ツイッター)で「情けないけど、やっぱり怖い すごくこわい こわくて涙が止まらない」と心情を吐露。不安な思いを抱えながらも42・195キロを駆けたが、またも日本記録の壁に跳ね返された。

優勝したティギスト・アセファ(エチオピア)は2時間11分53秒の世界新記録を樹立。従来の世界記録(2時間14分4秒)を2分以上更新し、2連覇を飾った。