過去の自分を超える。常盤木学園(宮城)出身で、21年の全国高校総体陸上女子200メートルを制した中大・佐藤美里(2年)が奮闘している。

埼玉・熊谷市内で今月開催された日本学生陸上対校選手権(日本インカレ)の200メートルで個人種目初出場。準決勝敗退となったが、昨年の400リレー7位、1600メートルリレー3位に続き、貴重な経験を積んだ。高校時代以来の自己ベスト更新に照準を合わせ、レベルアップを図る。

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佐藤が殻を破る。女子200メートル予選は24秒71(追い風0・7メートル)で通過したが、準決勝は25秒30(向かい風0・7メートル)で出場した組の最下位。決勝進出は逃すも、学生NO・1を決める舞台に立ったからこそ現在地を知ることができた。

「昨年、(個人種目で)出場できなかった悔しい思いも込めてレースを走ったんですけど、全国の強い選手と自分の差を、身を持って感じました。『ここで戦いたい』という気持ちが、さらに強くなったレースだったので、また来年戻ってきたいと思います」

2年前の全国高校総体王者といえども、簡単に勝てる場所ではない。コーナーから直線に入るスピード感で学生トップレベルとの差を痛感。「そこで置いていかれて突き放されたので、そこを強化したい」と課題は明確だ。以前はレースで弱気になることが多かったが「雰囲気を楽しめたので、1つプラスに考えたい」と収穫もあった。

かつての佐藤のように、常盤木学園の後輩にあたる千葉安珠(2年)が今夏の全国高校総体100メートルで4位に入るなど活躍。3学年違いで高校在学中はかぶらなかったが、レースや合宿などで顔を合わせ、頻繁に話す仲だという。「今の常盤木は本当に強いですし、県記録とかも他の学校に超えられるのは悔しいですが、常盤木の後輩ならすごく応援しています。みんな、すごく笑顔がいいので、笑顔のまま頑張ってほしいです」とエールを送る。

佐藤の自己ベストは100メートルが11秒74、200メートルが24秒08だ。「個人としては高校からずっと自己ベストが出せていないので、少しでも更新し、4年生では全カレ(日本インカレ)の決勝でしっかり戦える選手になりたいと思います」。2年後の飛躍へ今は自分磨きに徹する。【山田愛斗】