グランプリ女子800メートル決勝で新潟南高出身の山田はな(29=わらべや日洋)は2分5秒54で4位だった。狙っていた自己ベストの2分5秒46の更新はならなかったが、地元でのレースでシーズンベストの好走。10月の鹿児島国体での自己ベスト更新へ手応えをつかんだ。

 

レース後、荒い呼吸の合間から山田が言葉を発した。「悔しい!」。中団を維持してスパートも「ラスト20メートルで止まってしまった」。タイムは16年全日本インカレで記録した自己ベスト2分5秒46にわずか0・08秒及ばない2分5秒54。「600メートルのラップが1分32秒台だったので、いけるかなと思った。意識しない方が良かったかな」と苦笑いした。

それでもシーズンベストだ。24日の全日本実業団で3位、6月の日本選手権は6位と安定している。故郷・新潟でのレースは昨年のこの大会以来。15年の日本選手権で初優勝した時の会場でもあるデンカビッグスワンスタジアムは「好き」。そのトラックで健在ぶりをアピールした。

17日に29歳になり、ベテランの域に入ってきた。「引退もちらつく」と1年ごとを勝負と位置付ける。「国内トップの人たちと戦いたい。そのために自己ベストはマスト」。普段は、新潟南から進学した母校の東京学芸大で練習する。最近は自費でトレーナーの講習を受け、走りを動画でチェックするなど技術力アップに力を入れている。そんな衰えない向上心が好調の土台だ。10月は新潟県代表として鹿児島国体に出場する。「国体で自己ベストを更新したい」と力強かった。【斎藤慎一郎】

 

○…ブダペスト世界選手権女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(25=JAL)がサプライズで登場した。スタジアムのコンコースに設置された移動式トラックを観客が走るアトラクションに現れた。「楽しんで走ってください」とあいさつ後、ゴール付近で参加者をハイタッチで迎え入れた。北口は今日1日、来場者限定の撮影会を行う。

 

○…チャレンジ女子5000メートル決勝で橋本和叶(新潟明訓高2年)が3位に入った。自己ベストを20秒近く更新する16分6秒48。24日の新潟県高校選抜陸上の女子3000メートルでは9分14秒10で優勝し、県高校記録を23年ぶりに更新した。その実力を発揮した。全国高校総体3000メートルでは6位。「全国の中でやれたことが自信になった」。手応えをつかみ、10月の全国高校駅伝新潟県予選に臨む。「1区を走って貯金を作りたい。目標は優勝」と気を引き締めた。