8月の陸上世界選手権女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(25=JAL、北海道旭川市出身)が19日、札幌市内の北海道庁を表敬訪問した。

鈴木直道知事から「栄誉をたたえて」を授与された。金メダルを首から下げ、ダイヤモンドリーグ(DL)年間覇者に贈られるトロフィーを持参。すでに内定している24年パリ五輪に向けて「パリでも金メダルを取りたいという気持ちがさらに強くなってきている。金メダルを持ってここに帰って来られるように頑張りたい」と誓った。

故郷に凱旋(がいせん)した女王の耳には金色のチョウのピアスが輝いていた。世界選手権でも験担ぎに着用していた思い出のピアス…ではなかった。同じ金色だがデザインが違う。屈託のない笑顔で「これも蝶々なんですけど、世界陸上のピアスは(今季)最終戦で本当に飛んじゃってなくなってしまったので。来シーズンからこのピアスにするか、また新しく蝶々のピアスを探そうと思います」と明かした。チョウのようにきれいにやりが飛ぶように願掛けし、頂点に立った。“2代目”が今度は五輪の金メダルに導くかもしれない。

昨年の世界選手権で銅メダル、今年は金メダル。9月のDL第13戦では67メートル38をマークし、自身が持つ日本記録を更新した。「昨年も信じられないようなシーズンだったが、今年もさらに上のレベルに行くことができて、この2年魔法にかかっているようなシーズンを送ることができている」とうれしそうだった。世界陸連による女子のアスリート・オブ・ザ・イヤーにノミネートされている。「みなさんの投票が鍵になる」と、ちゃめっ気たっぷりに呼びかけていた。