8月の世界選手権5000メートル8位入賞の田中希実(24=ニューバランス)が2分4秒87で優勝した。シーズンベストには0秒89届かなかったが「すごくボロボロになったわけでもなく、レースに集中してストレスなく走りきることはできた」とうなずいた。

スタートこそ出遅れたが、後半で先頭へ。最後は独走でフィニッシュし、2位に5秒近くの差をつけた。「リズムを崩さずにできた」と振り返ったが「今までにないくらい腕のしびれを感じた」と疲労感をにじませた。

今季は春先こそ調子が上がらない時期が続いたが、6月の日本選手権で1500メートルと5000メートルで優勝。8月の世界選手権でも2種目に出場し、9月のダイヤモンドリーグ(DL)ブリュッセル大会の5000メートルでは14分29秒18の日本新記録を樹立した。11月以降もレースに出場する可能性があるが、今季を「山あり谷あり」と総括。自身との向き合い方が「じっと耐え忍ぶというよりは、のたうち回る感じ」へと変化したと説明した。

世界選手権の1500メートルで準決勝敗退となった後は、日本代表チームやスタッフにも支えられた。「失われない安心感がある」という気付きを得つつも「支えてもらうだけでなく、自分自身が支え合いに参加できるようにしたいと強く思う」と決意を新たにした。

明日21日には同大会の1000メートルにエントリーしているが「この先はちょっと考えたい」と、慎重に出場を判断するとした。