女子は新潟明訓が3年ぶり10度目の全国切符をつかんだ。1時間11分15秒で、97年に新発田商が記録した県高校最高1時間11分24秒を9秒更新。26年ぶりに記録を塗り替え、2位帝京長岡には3分以上差をつける“ぶっちぎり”優勝を飾った。1区橋本和叶(わかな、2年)がトップを独占する快走を見せ、県王座奪還へチームを勢いづけた。全国大会は12月24日に京都で行われる。

 

新潟明訓のアンカー、5区寺木みのり(3年)はゴール目前でギアを上げた。フィニッシュでは「レース前から決めていた」と右手を突き上げ、人さし指を立てる「NO・1」ポーズでゴールテープを切った。

1区橋本が作った流れを最後まで守り抜いた。「初めから自分が1人で行くと決めていた」と橋本は1キロを過ぎた時点で、2位集団を約50メートルに引き離す。トップ独走のままタスキをつなぎ、1度も首位を譲ることなく、最終的には2位帝京長岡を3分18秒も突き放した。橋本は「タイムとしてはもうちょっと、という思いはあるが、県最高記録で優勝出来てうれしい」と笑顔だった。

トラック内で審判をしながら戦況を見守っていた村山知之監督(38)は「完璧なレース。審判をしていたので大喜びは出来なかったですけど、ホッとしました。保護者やサポートしてくれた人たちに感謝したい」。込み上げる思いをグッとこらえて、3年ぶりの優勝をかみしめた。

今春にチームで「県高校最高記録で優勝」の目標を立てた。これまで月320キロだった走りを600キロ中盤まで増やし、朝練も週2回に増やすなどし着実に力をつけてきた。主将の黒谷望美(3年)は「今年は絶対勝つぞ、という思いでやってきた。めちゃくちゃうれしい」と笑顔を見せた。だが、この優勝は「あくまでスタートライン」と位置づける。優勝の立役者となった橋本は「都大路(京都)では15位以内を目指す。上り対策とかフォームを見直して、個人としても(区間)10番以内に入れるように頑張りたい」と力強く宣言した。【大島享也】

 

【女子区間賞】

▼第1区(6キロ) 橋本和叶(新潟明訓)19分50秒

▼第2区(4・0975キロ) パウリン・ワンジク(帝京長岡)13分21秒=区間新

▼第3区(3キロ) 深沢陽菜(新潟明訓)10分15秒

▼第4区(3キロ) 石倉心結(同)10分15秒

▼第5区(5キロ) マーガレット・アロットエカラレ(開志国際)17分7秒