26日号砲の第43回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝、宮城県松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42・195キロ)の前日会見が25日、仙台市内で行われた。2年ぶりの優勝を目指す積水化学のエース新谷仁美(35)は「まずは力を出し切るということ。みんなで優勝を目指して頑張りたい」と女王奪還に意欲を示した。

新谷は、今年1月のヒューストンマラソン(米国)で日本歴代2位となる2時間19分24秒をマーク。野口みずきさんが05年に樹立した日本記録(2時間19分12秒)まで12秒差に迫った。だが、再び日本記録更新を目指して挑んだ9月のベルリンマラソン(ドイツ)では2時間23分8秒という結果に終わり、レース後は自身のSNSで「恥ずかしさと悔しさで昨日は部屋とお風呂の中で泣き叫びました」と振り返っていた。

ベルリンとヒューストンでは何が違ったのか。新谷は「私は毎回試合に立つとき、緊張から来る不安で、焦ったりもするし泣きべそをかいたり、逃げたいなって思う時もある。その不安が強すぎると人に頼り過ぎちゃう」と胸中を吐露。普段は「自分の感覚プラス信用してくれている方々の声を合わせて試合に出ていた」というが、ベルリンでは「100%他人頼りだった。それが、あの結果になった一番の要因」と分析した。

その経験から「『自分の心の声を聞く』ことは常日頃、大事なこと」と気づかされた。今回のクイーンズ駅伝はチームとしてはもちろん優勝を、個人としては昨年の3区(10・9キロ)でつかんだ区間賞を今年任される5区(10・0キロ)でつかみに行くつもりだ。新谷は「これから私たちが狙う場所は、ここ以上に高い位置ではあると思う。国内で1番を取らない限り、世界や、それぞれの高い目標でフルボッコにされてしまう。そうならないためにもここで当然の結果を」と言葉に力を込めた。周りを信じ、自分を信じ、勝利に向かって全力を尽くすだけだ。【濱本神威】