<陸上:織田記念国際陸上>◇最終日◇29日◇広島ビッグアーチ

 優勝者以外で五輪標準記録を初めて突破する選手が多く生まれた大会だった。男子100メートル予選で小谷優介(22=)が10秒21、大瀬戸一馬(17=小倉東高3年)が10秒23とB標準を破った。大瀬戸は18年ぶりの高校新でもある。男子棒高跳び3位の山本聖途(20=中京大3年)が5メートル60、女子100メートルハードル3位の紫村仁美(21=早大4年)が13秒15とB標準。2人とも学生新だった。男子やり投げ4位(日本人2位)の荒井謙(30=七十七銀行)は79メートル90と初めてB標準を超えてみせた。

 だが、上記選手たちは自身よりも上に標準記録突破者がいる。荒井は「自己新ですがまったく嬉しくありません。82メートルのA標準を破らないとオリンピックは出られませんから」ときっぱり。ただ、被災地の宮城県を拠点にトレーニングを積んできたなかで五輪出場資格を得たことは評価が高い。「理想としてきた投げには近づいています」。自身もあと少しという感触だ。