世界でも珍しい男子だけのチアリーディングチームが早大SHOCKERS(ショッカーズ)だ。昨年のNHK紅白歌合戦に出演し、5月公開の映画「チア男子!!」のモデルになるなど知名度、人気とも急上昇中。今年3月には米国遠征も行い、チアの本場の観客から大きな喝采を受けた。

ダイナミックな演技で観客を魅了する早大SHOCKERS
ダイナミックな演技で観客を魅了する早大SHOCKERS

SHOCKERSは早大公認サークルで、部員はマネジャーを含めて57人。昨年の紅白ではHey!Say!JUMPのバックで演技を披露した。モデルとなったアニメや映画も製作され、嶋田基弘代表(3年)は「SNSなどを見ると、注目度が増していることを実感します」。岡村希一副代表(同)も「紅白は家族や親戚がみんな見てくれた。親孝行できました」と笑う。

この4月、セレクションに合格した23人の新入生が入部した。永瀬涼練習長(同)は「高校で体操をやっていたのは毎年1、2人で、ほとんどが未経験者です。運動部出身だけでなく、吹奏楽部や帰宅部だったという人もいます」。入学式の後にキャンパスで行うSHOCKERSのパフォーマンスを見て、憧れを抱いて入部を希望する新入生が多いという。

珍しい男子チアとして注目度、人気は急上昇中だ
珍しい男子チアとして注目度、人気は急上昇中だ

練習(正規練)は週4日、都内の体育館を借りて行っている。1日4時間、スタンツ(演技)の練習をみっちりと行う。バック転など基礎的な動きは、部員それぞれが「自主練」で鍛えるという。土日はほとんどイベント出演で埋まっている。かなりのハードスケジュールだ。

さまざまなイベントや大会で演技を披露
さまざまなイベントや大会で演技を披露

今年3月には米ダラスで開催された「NCAオールスターナショナルズ」で演技を披露した。米国でも男子だけのチアは珍しく、SHOCKERSの演技は大きな反響を呼んだ。「日本でも出られる大会は限られている。それならば本場の大会に出場して刺激をもらおうと思いました」(嶋田代表)。学生たちが企画し、自腹で8泊10日の遠征を行った。岡村副代表は「男子チアは徐々にですが認知されてきている。採点部門がある大規模な世界大会ができたらいいですね」と力を込めた。

◆早大SHOCKERS(ショッカーズ)04年4月に結成された、日本の男子チアチームの草分け。チーム名は「仮面ライダー」の悪の組織ショッカーと、見る人に衝撃(ショック)を与えたいという思いから命名された。チームカラーは黒と黄色で、ショッカーの黒い服装と稲妻をイメージしている。8月11日に東京・文京シビックホールで「SHOCKERS FESTIVAL 2019」を開催する。ちなみに日本の大学男子チアは、早大の他に明大、首都大東京、駒大、名古屋の大学合同チームがあり、社会人のOBチームを含めた全国大会が毎年開催されている。