6月28日から30日にかけて、京都アクアリーナでは関西選手権が行われた。

毎年シーズン初めに行われるこの大会。シニアの選手にとっては、日本選手権の出場権を獲得するための大切な1試合となっている。練習環境が大変な冬を乗り越え、全国大会出場に向けてたくさんの選手が競い合った。

今大会には、パリ五輪に内定している玉井陸斗(須磨学園高等学校)と荒井祭里(佐賀県スポーツ協会)も出場していた。

まず登場したのは荒井。前回のコラムでも書いたが、調子は徐々に上がってきている。今大会でも1本目は10点満点中9点をマーク。武器のノースプラッシュで会場を沸かせた。その後もまずまずの演技で316.15点を獲得し優勝。いくつか課題は残ったものの、オリンピック本番に向けて改善点を再確認することができた一戦となった。

最終日に登場した玉井は、練習からその存在感をしっかりと見せつけた。ノースプラッシュはもちろん、難易度の高い技をいとも簡単に飛んでしまう姿に、会場中が釘付けだった。

飛び込みの関西選手権が京都アクアリーナで開催。男子は玉井陸斗、女子は荒井祭里とパリ五輪代表がともに優勝
飛び込みの関西選手権が京都アクアリーナで開催。男子は玉井陸斗、女子は荒井祭里とパリ五輪代表がともに優勝

試合でも1本目から92点をマーク。その後も100点を超える演技で調子の良さを見せた。しかし、4本目にまさかの展開が待っていた。6245D(逆立ち後ろ宙返り2回2回半捻り自由型)でバランスを崩し、倒立の立ち直しをしてしまったのだ。倒立から始まる演技は、1度台から足が離れると、手が動いても足をついても立ち直しとみなされる。その場合は、やり直して飛ぶことは出来るが、各審判から2点ずつ減点される。

玉井は立ち直しがなければ100点近い演技だったが、63点に留まった。しかし、その事を引きずることもなく残り2本はしっかりと決め、合計は545.75点。軽々と500点を超えての優勝だった。

試合終了後に「ちょっと不安になりました」と話していた玉井。馬淵崇英コーチからも久々に厳しい言葉をかけられた。しかし、私は逆に気が引き締まっていいのではないかと思った。日本では無敵となり、世界でもトップとして戦っている今。オリンピックを目前に控え、さらに練習への意欲が高まったのではないだろうか。全試合終了後、静まり返ったプールにただ1人階段を駆け上る玉井の姿が見えた。試合での反省点を修正するための練習だ。数本を飛び終えると、コーチの元に駆け寄った。

世界で活躍するスーパー高校生が、少しだけ微笑ましく見えた瞬間だった。

今週末には、川口青木町公園プールで関東選手権が開催される。こちらも標準記録を突破すれば日本選手権への切符が手に入る。

いよいよ国内シーズンが始まった。選手のみんな、自分の目標に向かって頑張れ!!!

(中川真依=北京、ロンドン五輪代表)

飛び込みの関西選手権が京都アクアリーナで開催。男子は玉井陸斗、女子は荒井祭里とパリ五輪代表がともに優勝
飛び込みの関西選手権が京都アクアリーナで開催。男子は玉井陸斗、女子は荒井祭里とパリ五輪代表がともに優勝