男子ケイリンは、日本チームの次世代を担う中野慎詞(23=日本競輪選手会)が初の全日本王者となった。今年10月の世界選手権(フランス)メンバー入りへ、猛アピールに成功。中距離では梶原悠未(25=TEAM Yumi)が女子スクラッチを制して今大会2冠。男子オムニアムは、16年リオデジャネイロ五輪代表の窪木一茂(33=日本競輪選手会)が4年ぶりに優勝した。

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中野が念願のケイリン日本一に輝いた。決勝は日本のエース山崎を差し切っての優勝。「想定外にみんなが早めに動く展開だったが、冷静に判断して戦えた。大学の時に2位はあったけど、ずっと(金メダルを)取れなかったので、すごくうれしい」と日本一の称号を喜んだ。そして「目指すべきは世界。日本チャンピオンの自覚を持って頑張る」と宣言した。

競輪では、今年1月のデビューから無敗の27連勝中という期待のホープ。競技でも、先月の国際大会「ジャパントラックカップ2」に続いてのケイリンの優勝。今年6月のアジア選手権で結果を出した山崎や、寺崎といった先輩をねじ伏せた。今大会は今年10月の世界選手権(フランス)のメンバー選考を兼ねている。実力的に横一線の日本男子短距離チーム内では、最も好結果を出し、アピールに成功した。

今春は負傷のために競技への出場機会を失っていた。「もともとは選考外からここまで来たと思う。自分のやるべきことはやれた。選ばれなかったら、また頑張るだけ」。今はただ、憧れのフランス行きの朗報を待つ。【山本幸史】

○…梶原が女子スクラッチを制し、オムニアムに続いて優勝した。ライバルの仕掛けに冷静に反応し、最後までレースを支配して優勝。「すべての展開をイメージしていたので、どんな展開でも、自信を持って挑んだ」。29日は3キロ個人追い抜きに出場する。「自分が持つ日本新記録を更新したい」。“国内最強”の自分自身との戦いに挑む。

○…男子オムニアムは、リオ五輪代表の窪木が4年ぶり2度目の優勝を飾った。最終種目のラスト1周、ゴール前での勝負を制しての大逆転V。「久々のオムニアムの優勝で、めちゃくちゃうれしい。日本競輪選手養成所に入る前とは、スプリント力が違うと思う」。競輪選手との二刀流効果で、2大会ぶりの五輪出場を目指していく。

【第3日成績】

▽男子ケイリン(1)中野慎詞(日本競輪選手会)(2)山崎賢人(同)(3)小原佑太(同)

▽男子オムニアム(1)窪木一茂(日本競輪選手会)(2)今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)(3)松田祥位(同)

▽女子ケイリン(1)佐藤水菜(日本競輪選手会)(2)梅川風子(同)(3)太田りゆ(同)

▽女子スクラッチ(1)梶原悠未(TEAM Yumi)(2)内野艶和(日本競輪選手会)(3)岩元杏奈(日体大)

▽パラ女子500メートル(1)杉浦桂子(TEAM EMMA)=39秒816(日本新)

▽パラ男子1キロ(1)川本翔大(大和産業)=1分5秒384

▽パラ男子タンデム1キロ(1)木村和平・三浦生誠=1分2秒959(日本新)

▽ジュニア男子ケイリン(1)熊谷海飛(静岡北高)(2)青木光琉(興国高)(3)岩谷駿之介(堺高)

▽ジュニア女子ケイリン(1)中島瞳(川越工高)(2)伊藤優里(朝明高)(3)田野口佳奈(高松工芸高)

▽ジュニア女子スクラッチ(1)平子結菜(朝明高)(2)石上琴乃(松山学院高)(3)平林つかさ(松山聖陵高)