<フィギュアスケート:世界選手権>◇28日◇さいたまスーパーアリーナ

 初出場の町田樹(24)が、世界歴代3位の合計282・26点で銀メダルを獲得した。2年間演じたフリー「火の鳥」の最終演技。184・05点でSPに続き自己新を記録。0・33点差で逆転され、テレビインタビューでは羽生の金メダルを指さし「本当にこれを目指すから。彼を目標に頑張ってきたので、来年は容赦なくぶっつぶしにいきます」と宣戦布告だ。

 「本を読んだり、ふとした時にルッツのことが頭をよぎるんです」。ソチ五輪のSPで、得意な3回転ルッツが2回転になって、銅メダルに1・68点差の5位だった。その悔しさをモチベーションにした。

 3日、大阪・高石市内のアパート。9日に24歳の誕生日を迎えた町田は、同2日が誕生日の母弥生さん(46)妹さくらさん(21)と3人合同の誕生祝いを行った。母から青いコート、妹から千鳥格子柄のズボンを贈られた。町田は妹にデジタルカメラをプレゼント。だが母には「欲しいものが分からなかった」と保留。すると母から「メダルをください」とねだられた。

 母の願いをかなえて「まだ伸びしろがある。来季は世界王者が目標」。「打倒羽生」を掲げて、現役続行を宣言した。【益田一弘】