どーもです。今日紹介するのは、ミズノのニューモデル「ミズノプロ」シリーズの「ミズノプロ243」アイアンです。このアイアンはキャビティモデルですが、昨日紹介したマッスルバックよりも、いろんな意味で寛容性が高そうに感じます。とはいえ“ミズノプロ”ですからね。油断すると痛い目にあうかもしれないので、引き続き気を引き締めていってみましょう。


まずは見た目から。


先代「ミズノプロ223」アイアンもスリットが入ったキャビティモデルでしたが、新作もその遺伝子は引き継いでいます。その上で、この「ミズノプロ243」アイアンもバックフェースが山型に変更となっていました。

フェースはやや小振りですが、「ミズノプロ241」アイアンよりもトウ・ヒールが長め。形状的には、実にミズノらしい顔付きだと思います。

ソール幅はフェースの大きさに対して適当かな。

ネックはほぼストレート。ボディ形状はやや変更されていて、バックフェースの厚みがトップブレードのかなり上にまでとなっていました。

構えてみるとこんな感じ。「ミズノプロ241」アイアンと比べると「安心感はあるけど…」といった感じかな。

今回試打したのは、トゥルーテンパー社製「ダイナミックゴールドHT」S200フレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角32度、ライ角61.5度、長さ36.75インチ、総重量431g、バランスD2。シャフトスペックは、重量129g、トルク未発表、手元調子。


試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、先代試打時はシャフトが「NSPRO MODUS3 TOUR105」でした。今回は「ダイナミックゴールドHT」装着モデルということもあって「重めかな…」なんて思っていたら、「あれ? 結構いい感じじゃない?」でした。グリップの太さは、個体差かもしれませんが、今回試打した3つのアイアンの中で、最も太く感じました。ワッグルした感覚は「ミズノプロ241」アイアンとほぼ同じような感じ。素振りした感覚も、同様にシャープに振れそうな雰囲気でした。


実際に打ってみると、まず特筆したいには打感のマイルドさ。マッスルバックの「ミズノプロ241」アイアンのほうが柔らかそうなイメージでしたが、この「ミズノプロ243」アイアンのほうが、より分厚いインパクトでボールのつぶれ感も満載。個人的には「ミズノプロ243」アイアンの打感のほうが好き。ボールの上がり方、スピン量、見た目の弾道も「ミズノプロ241」アイアンとなんら遜色なし。では、その差は何か? ミスヒットの寛容性が気持ち高いのと、よりオートマチックにつかまる感じが強いことだと思います。なお、先代よりもボールが上がりやすいイメージでした。また、データを見る限りスピン量は新作の方が約1100rpm増えていました。一緒に打ったわけではないので、ボクの打ち方の問題もありそうですが、それにしても1000rpm超えの差は…!?


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら


【3球平均】

HS38.9m/s、初速49.7m/s、打ち出し角19.8度、バックスピン量6312.4rpm、サイドスピン-671.0rpm、飛距離167.1y

【ベスト】

HS39.0m/s、初速49.6m/s、打ち出し角19.2度、バックスピン量5853.2rpm、サイドスピン-1186.5rpm、飛距離168.1y


打感は前述通りなので、ここでは割愛します。音は違和感のない中高音系。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラック弾道データはこちら

弾道的には高弾道。この重量を振り切れれば普通にボールは上がると思います。弾道の見た目では「ミズノプロ241」アイアンとほぼ似たような感じですが、これはおそらく両者がナイスショットだったからです。もちろん何球も打っていますが、その際のスイングのミスや打点のミスなどに対する寛容性は、確実に「ミズノプロ243」アイアンの方がより高いです。だからといっていわゆるオートマチック系ではないので、勝手にドーンとか、つかまる感じではないですけどね。


出球傾向ですが、ボクのスイングで、ほぼストレートから軽いドロー系。なお、これは無意識の意識かもしれませんが、「ミズノプロ241」アイアンは「ダウンブローに打ち込まないと…」という意識が働いていたかもしれませんが、「ミズノプロ243」アイアンは一切そう思わずに打てました。そのわりにはスピン量がほぼ一緒なので、結果ダウンブローに打てていないのかもしれないけど…(汗)


シャフトフィーリングと振り感ですが、より総重量が軽い分振りやすさはあるけど、感覚的には「ミズノプロ241」アイアン同様、シャフトがちょっとタメを作ってくれて、かつシャープに振り切れる感じでした。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS40~42m/sあたりにオススメ。「ミズノプロ241」アイアンは操作性抜群のマニュルア系で車に例えたら「F1」だとすると、この「ミズノプロ243」アイアンはそこまでシビアではないセミオートマ系でスポーツカーかな。F1とスポーツカーだと差がありすぎるような気もしますが、感覚的には「ハナから運転できそうにないF1」と「普通に運転できそうなスポーツカー」といった感じです。それでも、いわゆるオートマチック系ではないので、それなり技術のあるプレーヤー向けでしょうね。払い打ち系でも使えそうな気配もありますが、ある程度打ち込める方がよりメリットを享受できそう。「マッスルバックは見た目的にもキツいわ~!! クラブでカバーできる部分があるなら頼りたい」という方にオススメだと思います。

<ミズノ「ミズノプロ243」アイアン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9▽上がりやすさ:10▽操作性:8.5▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:10▽ミスの許容度:8

■ヘッド:【#5~#7】クロムモリブデン鋼(SCM420)【#8~PW】マイルドスチール(S25CM)

■シャフト(重量/トルク/調子):スチールシャフト「ダイナミックゴールドHT」(S200=129g/未発表/手元調子)。「NSPRO MODUS3 TOUR105」(S=106.5g/1.7/元調子)。

■価格:6本(#5~PW)セット15万1800円、単品(#4、GW)各1本2万5300円 ※価格は税込み