川岸史果(28=加賀電子)が、逆転で約6年ぶりとなるツアー通算2勝目を挙げた。通算9アンダーの99で並んだ佐久間朱莉とのプレーオフを1ホール目で制した。

17年マンシングウェア東海クラシック以来の優勝で今季初V。3週連続Vを目指した山下美夢有は1打差3位だった。大会は悪天候などで27ホールに短縮され、決勝ラウンド(R)は9ホール。第1Rで70人が予選を通り、さらにセカンドカットで33人が最終Rに進んだ。賞金は75%に減額。メルセデスランクのポイント配分に変更はない。

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川岸は短期決戦で復活Vを飾った。プレーオフ1ホール目の18番パー5。第2打をクリークに入れてパーパットを残した佐久間に対し、川岸は1・5メートルのバーディーパットを決めると力強くガッツポーズ。プロでもあり、長年キャディーを務める母麻子さん(57)と母子涙目で抱き合った。前回Vの時はハウスキャディーだった。「母に『私の時に勝ってよ』と言われていた。目の前で勝ててうれしい」。母孝行Vになった。

「長かった分、苦しい時期もあった」。飛距離が武器だが、ドライバーの不調から18年にシード権を喪失。22年から用具契約はフリーに。「縛られている中でクラブを決めるより、ストレスがなかった」。徐々にドライバーが復調した。

ツアー通算6勝の父良兼は前週、会場でプレーを見守っていた。この日は仕事だった。麻子さんは「『オレがいない間に勝つなよ』と。悔しがっていると思います」と明かした。

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