平工(福島)は、他チームでケガや体調不良で離脱する選手が続出する中、入念な予防策で体調万全。Bシード報徳学園(兵庫)の強力FW陣にも対抗し、13度目の出場で初の3回戦進出を狙う。

 激闘から一夜明けた29日、平工の選手たちは、リラックスムードで約2時間の練習を行った。28日の初戦は和歌山工の反撃をしのいで逃げ切り。ムードメーカーのNO8冨永千歳(3年)も「異様な緊張だった」というほど心身ともに疲弊したが、重圧から解放された夜は熟睡して体力も回復。全員がキレのある動きを見せ、タックル練習では高木邦夫監督(46)とコーチを相手に激しくぶつかった。

 元気の秘訣(ひけつ)は徹底した健康管理にある。他チームが台所事情に苦しむ中、大きなケガや全国的に流行しているインフルエンザやノロウイルスに感染した選手はいない。体調不良での離脱者が続出した07年度大会の反省から、高木監督が市販されていない消毒スプレーを取り寄せ、うがい薬とともに宿舎の各部屋に配置。普段から体力づくりのトレーニングと並行して「アミノ酸系のサプリメントも飲ませている」という効果もあって、チーム状態は万全だ。

 今日の相手は報徳学園。高校日本代表候補や国体メンバーをズラリとそろえる強豪相手でも、気後れすることはない。監督は「どんどん前に出て、接戦に持ち込んで勝ちたい」と意気込んだ。初戦で自分たちが味わったプレッシャーを相手に与え、鬼門を破ってみせる。【鹿野雄太】