松井が走れば、ジンクスは破れる!?

 全国高校ラグビー大会は今日5日、大阪・花園ラグビー場で準決勝2試合を行う。Aシード常翔学園(大阪第1)は6連敗中の準決勝で国学院久我山(東京第1)と対戦。“鬼門”を突破し、17大会ぶり5度目の優勝に王手をかける。

 花園の七不思議だ。全国有数の強豪が準優勝の78回大会(98年度)後、6度も準決勝の壁に跳ね返されている。野上友一監督(54)は4日「今までは準決勝の時点でフラフラやった。今年は違う。消耗してませんからね」と強気に語った。

 WTB松井千士(3年)がジンクス打破の鍵を握る。50メートル走5秒8という超高校級のスピードで、SH重一生(3年)とともに2年にして高校日本代表、今年も同候補に選ばれた。ところが、今大会は初戦の萩商工戦で3トライを決めたものの、3回戦、準々決勝はノートライに終わった。前日は学校から徒歩5分の自宅に戻り、同校OBで天理大WTBの兄謙斗(3年)とビデオを見ながら“反省会”を開いた。「迷ってる。細かいステップが多い。もっとワンステップだけで抜きに行け」とアドバイスを受けた。

 松井は「チームに全然貢献できてませんからね。トライをとりたい」。野上監督は「松井までいいボールが回ってないということ。FWが前に出て、ウチのいい形になれば…」。松井がトライを取る型にはまれば、決勝進出は自然と見えてくる。【加藤裕一】