<全国高校総体:少林寺拳法>◇10日◇成田市・中台運動公園体育館

 女子団体演武で、聖隷クリストファー(静岡)が6位に入賞した。決勝は、昨年の世界大会で2位に入った岡田理沙主将(3年)石田叶恵(2年)のペアを中心としたメンバーがキレのある動きを披露。大会直前の調整期間が短かった影響で目標に掲げた優勝は逃したが、全国トップクラスの実力を証明した。

 鬼気迫る演武には、緊張感が漂った。聖隷クリストファー女子メンバーが力強い突き、蹴りをそろえる。「演技だけでなく、リアリティーを意識した」(岡田主将)と取り組んだ動きだったが、審判員3人の合計点(300点満点)は257点。優勝した成田国際(千葉)の265点に8点届かず、6位に終わった。岡田主将は「準決勝よりも、決勝は動きがずれてしまった。ちょっと残念でした」と表情を曇らせた。

 少林寺拳法は今年から全国総体の正式競技に加わった。昨年8月に開かれた全国大会の女子2段の部で優勝、さらに世界大会でも同種目で2位に輝いた岡田主将、石田のペアが所属する聖隷クリストファーはV候補でもあった。「1回目の総体なので優勝したい気持ちが高まった」と岡田主将。しかし大会直前の3日間は、主力数人が学校行事で練習に不参加。全員がそろった最終調整は1日のみで大会に臨まざるを得ない状況だったという。

 太田司監督(54)は「全体的に動きが鈍かった。学校行事とはいえ、選手がそろわず、練習不足だった」と残念がった。初代女王の座は逃したものの、団体メンバー8人中7人が1~2年生。創部20年目を迎える来年への大きなステップアップとなった。【藤中栄二】