仙台育英(宮城)は流通経大柏(千葉)に敗戦。高校日本代表候補のフランカー野沢涼介は進学する帝京大での活躍を意気込んだ。

 完敗だった。仙台育英は立て続けに主力3年生を3人も欠き、満身創痍(そうい)で2回戦を戦った。宮城県準決勝で負傷したフッカー佐藤匠と、今大会初戦で左肘を脱臼したフランカー野沢の2人がベンチスタート。試合中にはTB新堀隼風が脳振とうで運ばれるなどアクシデントもあり、力を出し切れないままに終わった。

 FW陣は大会最重量131キロの辻本浩之や宮川優也主将(ともに3年)を中心に、組み合えば脅威となり、モールから3トライを奪い意地を見せた。

 プレーすることのないまま終戦を見たゲームキャプテン野沢は必死に涙をこらえた。「みんなよくやってくれて…悔いはない」。野沢は来春から帝京大へ進学する。経験を積んだ後輩たちに夢を託し、3年生は新たな道へ。育英フィフティーンの戦いは続いていく。【成田光季】