全国高校ラグビー大会は3日、大阪・花園ラグビー場で準々決勝4試合を行う。2大会ぶりの4強進出を狙う東海大仰星(大阪第1)は2日、京都成章戦に向け、大阪・枚方市にある同校グラウンドで約3時間の調整を行った。

 中学時代のラグビー経験者がほとんどのチームにあって、入学までラグビー未経験者だったフランカー久保田崇(3年)とフッカー中野幹(3年)は「ラグビーをやって本当によかったです」と、仲間より新鮮な感動を味わっている。

 東海大仰星中に通いながら、ラグビー部ではなく準硬式野球部。久保田が4番センターで、中野が5番レフトと主軸を打っていたが、中2の時、花園の大阪予選決勝を観戦したことを機に“転向”を決めた。

 久保田は「元もと『絶対に野球』ってわけではないんです。中3の夏に野球部を引退した時には『ラグビーの方がガムシャラにやれそうや』と思って」。中野は「選手が試合開始前にスタンドに向かって泣いてるんです。『こんなスポーツ、あんねんや』と感動して」と言う。

 現主将で、中学の同級生だったフランカー真野泰地(3年)が「オマエら、ラグビーに来いや」と誘ってくれたことも決め手になった。また1人だと心細いが、2人なら…との思いもあった。ただ、最初はずぶの素人。中野は「ラインアウトの意味もわからんかったですし、ラックは『何で寝てる人の上をまたいでるねん?』と不思議でした」。久保田に至っては「中学はいるときは、仰星がラグビー強いんも知りませんでした」と笑う。

 未経験の遅れを取り戻そうと、必死で体を作った。おかげで久保田は体重が63キロから85キロに、中野は70キロから100キロにアップ。ベンチプレスでは久保田が部内1位145キロ、中野が2位タイ140キロを挙げるパワーを身につけた。

 1日の伏見工戦でスタメン出場した久保田は、京都成章戦でもスタメンの可能性がある。中野は途中出場する可能性が高い。久保田は「持ち味のタックルをびしびし決めたい」中野は「フィジカルでは負けません」と意欲を口にしていた。