2年連続10度目出場の札幌山の手(北海道)が、2-1のフルセットで鹿屋中央(鹿児島)を振り切り、今大会2勝目を手にした。Vチャレンジリーグ仙台に入団するエース舛田紗淑(さよ、3年)が後半に復調。逆転で06年総体優勝チームを下した。

 最後の最後で、札幌山の手の舛田が帳尻を合わせた。176センチの身長を生かした高いブロックで相手のスパイクをはね返し続けると、サーブでも難敵のディフェンスを崩す。自身の14点中、最終セットだけで8点を荒稼ぎし、勝利を呼び込んだ。2日連続の2ケタ得点。「今日はスタートが遅過ぎた。明日(7日)は最初から攻めて行きたい」。ちょっぴり照れながらエースが笑った。

 舛田の強打を徹底マークする相手に苦しんだ。再三スパイクを打ち込みながら第1セットはわずか1点。セット終盤で後衛に回った時、今大会初めて交代を告げられた。渡辺徹監督(51)は「外からゲームを見せて、ひと息つかせてやりたかった」と話す。遠征中は常に携帯電話使用禁止。「バレーボールだけのことをみんなで考えてきた」(舛田)。それだけに、悔しかった。

 「みんなが助けてくれているのに、コートの外で何をしてるんだと思った」(舛田)。自分不在のコートの中では、道下ひなの(3年)、山本萌々果(2年)らが歯を食いしばっていた。第1セットは落としたが、約5分のインターバルで舛田が自分を取り戻すと、チームは逆転に向けて突き進んだ。昨年3月の私学大会では、負傷中の舛田を除いたメンバーで鹿屋中央と対戦。接戦の末敗れた相手に「リベンジできました」と、舛田は笑った。

 今日7日の2試合を勝ち抜けば、9日の準決勝進出が決まる。昨夏の総体と並ぶベスト8進出をかけた第1試合は、川崎橘(神奈川)が相手だ。「1年生の時から(本州)遠征のたびに練習試合で対戦しているので、お互い手の内を知り尽くしています。最後は気持ちだけ」と舛田。次はスタートから闘志をむき出しにして、この日敗れた女子の旭川実、男子2校の分も勝ち進む。【中島洋尚】