競泳で五輪2大会に出場した伊藤華英さん(31)にリオデジャネイロ五輪予選を兼ねた競泳日本選手権(4月4~10日・東京辰巳国際水泳場)の見どころを聞いた。

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 まずは北島康介選手(33=日本コカ・コーラ)です。2000年シドニー五輪から4大会連続出場して、平泳ぎで金メダル4個、メドレーリレーで銀1個、銅2個。まさに水泳界の「レジェンド」です。5度目の五輪へのチャレンジとなる今大会に向けて、すごく真剣に頑張っている姿を見てきました。100メートル、200メートルの平泳ぎ2種目に出場しますが、まずは5日の100メートル決勝に大注目です。

 次に初めての五輪を目指す15歳の池江璃花子選手(ルネサンス亀戸)。期待の新鋭です。今年に入ってからもすごく記録を伸ばしていて、まさに怖いもの知らずの勢い。どこまで伸びるのか注目です。100メートル、200メートル自由形に関してはリレーでの五輪代表権もかかる種目。しっかりと記録を刻んでほしいと思います。100メートルバタフライもメドレーリレーがある。私もリレー代表としての経験があります。日本女子リレーの伝統を引き継いでもらえるように頑張ってほしいですね。

 そして萩野公介選手(21=東洋大)。個人的には成功をすごく願っています。高校生だった12年ロンドン五輪では400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得しました。去年は不運な事故で右ひじを骨折して世界選手権に出られず、自信も失っていたようです。でも今年はしっかり練習を積めていて、1月の試合でも「戻ってきた」と本人も言っていました。(個人メドレーは)最後のクロールの追い上げのところが強化されていると思います。日本選手権では最低でも日本記録を期待したいですね。

 ◆リオデジャネイロ五輪代表の条件 日本選手権で各種目の2位以内に入り、日本水連が五輪決勝進出を見込めるラインとして設定した派遣標準記録を突破した選手。

 ◇伊藤華英(いとう・はなえ)1985年1月18日、埼玉県生まれ。00年日本選手権に15歳で初出場。01年世界選手権で初めて日本代表入りし、100メートル背泳ぎ7位。08年北京五輪で背泳ぎ2種目に出場、12年ロンドン五輪は自由形リレー2種目出場。12年秋に現役引退。順大大学院博士後期課程。水泳とピラティスの指導者として活躍。173センチ。