2大会ぶりの五輪出場を目指した日本男子の予選敗退が決まった。世界ランク14位の日本は同13位のオーストラリアに0-3で敗れた。残り2試合に勝っても、アジアの最上位か、それを除く上位3位以内に入る可能性が消えた。14年に就任した南部正司監督(48)は退任の見通しとなった。

 選手たちは試合後、コート外にぼうぜんと座り込んだ。4年前に続く予選敗退に清水主将は「若い選手を五輪に立たせてあげたかった。日本バレー界にとってもつらい現実。申し訳ない」と言葉を詰まらせた。

 試合後、南部監督は「もっと海外との対戦を経験させないといけない」と、経験不足が予選敗退の一因と振り返った。予算オーバーするぐらい海外遠征を組んだが、今年に入って海外チームとの試合は約20セットと欧州チームの3分の1程度。最終予選直前のフランスとの練習試合では「正直、差は開いているなと感じていた」という。

 南部監督は初の外国人監督ゲーリー・サトウ氏(米国)の後を引き継いで14年2月に就任した。初参加した60年以来、初めて世界選手権の出場を逃した直後に火中の栗を拾い、昨年のW杯では12チーム中6位と躍進させた。だが、大型化が進み、高さとパワーあふれる海外勢への対抗策は見つけられないままだった。「リオ(出場)なくして東京はあり得ないと思っていた。ただ、若手を伸ばすのが使命だと思っていた」と、結果と育成との間で揺れていた心境も明かした。

 今後については「すべては協会から。私からは何も言えない」と南部監督は話した。男子の小田強化委員長は「責任の全ては私にある。9月のAWC(アジア杯)からは20年に向けた体制になる」と辞任の意向を示した。東京五輪に向けて、日本男子は新体制で出直しを図る。