リオ五輪に間に合うか? 世界6位の錦織圭(26=日清食品)は、同13位のチリッチ(クロアチア)との4回戦を1-6、1-5となったところで棄権した。6月上旬に痛めた左脇腹の症状が悪化し、今後に不安を残した。

 次戦は25日開幕のマスターズ・ロジャーズ杯(トロント)。8月6日にはリオデジャネイロ五輪テニス競技が始まる。トロントまで3週間、五輪まで約1カ月。「いつまで長引くかは分からないが、治療に専念するだけ。夏は大変なので、準備はしっかりしたい」と話した。

 実は、初出場だった北京五輪の時も同じ状況だった。五輪1カ月前のウィンブルドン1回戦で左脇腹を痛め、途中で棄権した。当時は全治2週間と診断された。しかし、ウィンブルドン後に予定していた3大会を欠場し、1カ月後の五輪に間に合わせた。

 現在は状況が大きく違う。08年当時は世界100位以下。現在は世界6位で、出場大会など、トップ選手として多くの義務を負わされる立場だ。ロジャーズ杯も出場義務で、欠場すれば世界ランクの点数に0点が加わってしまう。五輪だけに集中するわけにいかないのが現状だ。

 日の丸を背負うことを意気に感じるタイプだ。ケガさえ完治すれば、五輪出場は間違いない。ただ、五輪前後に出場義務のマスターズがあり、3大会連続でピークを維持するのは並大抵ではない。来週にも五輪代表会見を予定しているが、とにかく今は早期の完治に全力を挙げるだけだ。【吉松忠弘】

 ◆WOWOW放送予定 6日午後8時55分~、7日午前1時~、WOWOWライブ。男子シングルス準々決勝ほか。生中継。放送時間変更の場合あり。