女子の由利(秋田)が、吉野優理(2年)の大活躍で、3年ぶりに初戦突破を果たした。佐賀清和と対戦し、2-1で逆転勝利した。吉野は強力なスパイクを武器に、チーム総得点72点の半分近い、34得点をたたき出した。菅原清監督(52)に「秋田の至宝」と言わしめる好素材が、初戦敗退で終わった昨年の雪辱を果たした。

 第1セットを落として迎えた第2セット。吉野は周囲に「ボールをくれ」と要求した。自信はあった。1セット目を終えて、相手の攻撃パターンは速攻が多いと感じた。ネット際でクイックをさせにくくするため、クロススパイクを奥へ打ち込むことにした。あとは吉野の独壇場。相手も2枚ブロックで応戦したが、強烈なスパイクが面白いように決まった。34得点の活躍に「気持ちいい」と笑った。

 菅原監督は吉野を「秋田の至宝」と評する。「体幹の強さ、男子並みの上半身の強さが、強さにつながっている。もっと強くなる。腹筋も練習後に毎日300回やっている」とうなった。スパイクだけではなく、サーブレシーブもチームで一番うまくなったといい、成長の早さも評価。吉野は「プラスになる」と受け止めている。だが続けて、「全国で活躍しないと」と気を引き締めた。

 1年生だった昨大会にも出場したが、初戦敗退。「その悔しさがこうさせている」と、この1年は練習に励んだ。結果オーバーワークして、昨年3月ごろに腹筋を肉離れした。「プレーよりまず普段の生活を見直した」と反省。毎日ストレッチを入浴後に20分間行った。ケガも完治して、腹筋を開始。最大回数は監督の申告より多い「500回」。筋力に自信を見せる。

 8強入りを目標とする。「今日は大事なところでミスをした。去年の思いを背負っていきたい」。どれほど強くなっても、去年の悔しさは頭から離れない。真の「秋田の至宝」を目指して突き進む。【秋吉裕介】

 ◆吉野優理(よしの・ゆうり) 1999年(平11)、青森県弘前市出身。築山小5年時に、築山スポーツ少年団でバレーを始めた。秋田南中出身で、由利高では1年時からベンチ入り。家族は、両親と兄。175センチ。最高到達地点293センチ。