20年東京五輪で追加種目となるスポーツクライミングの伊藤ふたば(15=岩手県協会)が17日、ポテンシャルの高さを見せつけた。

 大阪・枚方市の常翔啓光学園で行われたユース日本代表合宿に参加。1月のボルダリング・ジャパンカップを制した伊藤は、登る速さを競うスピードで12秒台をマークした。

 東京五輪はスピードに加え、登った高さを競うリード、リードより短い複数ルートで競うボルダリングの複合種目で争われる。しかし、国内で国際基準を満たしたスピードの施設は同校と東京、岐阜の3カ所のみ。世界の女子トップ選手が7秒台で駆け上がるスピードだが、伊藤はこの日が「7~8回目」のチャレンジだった。

 日本代表でスピードを担当する水村コーチは「スピードの技術がある程度つけば、フィジカル面を上げる段階になる。ただ、そうするとリードだったり、別の種目に影響が出る」と説明。伊藤が得意とするボルダリングや、リードに軸足を置きつつ、スピードにおける世界との差を埋めるのが、日本代表の基本的な考えだ。

 女子については、8~9月に行われる世界ユース選手権(オーストリア)におけるスピードの11秒台。20年東京五輪では10秒を切ることが、複合種目での表彰台の目安となる。ユース日本代表の西谷ヘッドコーチは「伊藤さんをはじめ、選手ののみ込みが早い」と評価。伊藤は「スピードは1つミスをしたり、重心がずれるだけで、タイムが変わってくる。ちょっとずつだけれど、タイムが縮まってきている」と適応能力の高さを見せつけた。