世界ランキング11位の日本が、19年W杯日本大会の1次リーグで同じA組に入った同4位アイルランドに22-50で完敗した。前半24分に一時退場で数的不利になると、そこから8分間に21点を奪われ、試合が決した。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は、球際の意識の低さへの不満をあらわにし、大幅なメンバー変更も示唆。24日のアイルランドとの第2戦(東京・味の素スタジアム)での修正を誓った。

 日本がW杯「前哨戦」で力の差を見せつけられた。序盤のチャンスで得点を奪えずにいると、体格、技術で上回るアイルランドのプレッシャーから反則を連発。前半24分には自陣深くで伊藤が一時退場を命じられ、数的不利から一気に3トライを許した。後半にFB野口、SH流、WTB福岡のトライで反撃する意地を見せたが、最大35点差を埋めるには遠く、世界4位の強豪に攻守で圧倒された。

 ジョセフHCは、戦術の柱である相手裏へのキックに対する反応の悪さを敗因に挙げ、「五分のボールへの貪欲さが足りない。これは大問題。プランを変えるか、選手を代えるかどちらかだ」。怒りを押し殺すよう言い、メンバー変更もちらつかせた。

 強豪との戦いの中で、チームが抱える課題も浮き彫りとなった。プロップ稲垣は、15年W杯時にジョーンズ前HCから徹底されていた反則への意識が「ないがしろにされている」と指摘。反則からのセットプレーが失点につながっている現状に、SH田中も「チームとしては前進しているが、反則から崩れた。規律を守るのは個人の意識。リーダー陣がもっと伝えていく」と言葉に力を込めた。

 1週間後の24日にはアイルランドとの第2戦が控える。W杯本番でも、短期間で課題を克服する力は重要な意味を持つ。主将のフッカー堀江は「もう1試合あるのはラッキー。しっかり修正したい」と前を向いた。【奥山将志】