全日本柔道連盟(全柔連)は23日、都内で評議員会と理事会を行い、84年ロサンゼルス五輪男子無差別級金メダルの山下泰裕副会長(60)の会長就任を決定した。

 13年に不祥事で混乱した全柔連を再建した宗岡正二会長(71)は定年制により退任。記者会見で山下氏は「自分の人生をかけた戦いである。それぐらいの覚悟をもって取り組む。礼節を重んじ、品格のある柔道界を全身全霊で目指します」とあいさつした。柔道の競技人口が減少傾向にある昨今、山下氏が求める理想の柔道がある。「子どもたちが柔道着を肩に持って柔道場に行くことを憧れるような競技にしたい。さらに、選手、指導者らの立ち振る舞いを見て『柔道=人間教育』と言われるような柔道界をつくるのが夢です。現実はそう簡単ではないが、それに向かって尽力したい」。

 山下新体制で臨む20年東京五輪に関しては「メダルの数よりも色にこだわりたい。(男女混合)団体戦も含めて、リオ五輪の(金3個の)倍ぐらいは目指したい」と新たな目標を掲げた。山下氏は宗岡氏の“手腕”に深く感謝し、「大きな改革はこの4年で成し遂げられたと思う」と話した。

 宗岡氏も「(山下氏は)国民栄誉賞ですから。何の心配もしていません」と太鼓判を押した。