五輪の追加種目に決まるまで、スポーツクライミング界ではワールドゲームズ(WG)が最高峰のタイトル。日本協会の幹部によると、協会ではWGの報奨金を世界選手権より上に設定している。今回のWGには、W杯リードで通算3勝、ボルダリングで同じく2勝を挙げ、3種目の総合力では世界トップのショーン・マコール(カナダ)が出場した。勢いのある実力者がそろう国際大会で、3位のマコールら強豪を抑えて日本勢が1、2位を独占したことには価値がある。

 陸上競技に例えるなら、ボルダリングは瞬発力が問われる短距離走で、リードは前腕の耐久力が求められる長距離走。東京五輪の追加種目入りを機に国内でボルダリング人気が高まる中、是永は「リードも知ってもらいたい」と願った。

 ◆ワールドゲームズ 4年に1度、五輪翌年に開催される国際総合大会で「第2の五輪」として注目されている。ボウリングやダンススポーツ、スカッシュ、綱引き、ラクロス、相撲など五輪で採用されていない競技が行われる。81年に米国で第1回大会が開催され、第10回の今年は公開競技4を含む全31競技を実施。