ダブル金メダル獲得だ!! 女子48キロ級の渡名喜風南(となき・ふうな、22=帝京大)が初優勝した。渡名喜は準決勝でリオ五輪銅のガルバドラフ(カザフスタン)を延長で倒し、決勝ではリオ五輪金メダルのムンフバット(モンゴル)に勝利した。

 初出場の渡名喜が硬さとは無縁の戦いぶりで、女子48キロ級の頂点に駆け上がった。「世界選手権に出られるのはチャンス。特に気負いはない」と話した通り、浮足立たず冷静な柔道を大舞台で発揮。初優勝を決めると「すごくうれしい。今まで優勝しても泣くことはなかったが、今日は涙が出た」と歓喜に浸った。

 3回戦の相手は帝京大で同学年のブラジル代表、小山。手の内を知り尽くす相手に技あり1つをリードされたが、懸命に追いつき延長戦へ。一瞬の隙を見逃さず、小内巻き込みで退けた。「挑戦者の気持ちで、力を出し切ることが大事」。準々決勝以降は格上の相手が続いたが、気後れはない。準決勝で実力者のガルバドラフを延長戦の末に足技で下すと、決勝は元世界女王のムンフバット。残り30秒を切ったところで、必殺の小外刈りで技ありを奪った。

 ブダペスト入り前に胃腸炎にかかり、39度の高熱も出た。体重が予定よりも早く減ったというが「これ以上悪いことはないだろうと。マイナスイメージは持たなかった」と笑い飛ばす強心臓ぶりは頼もしい。「何が何でも世界一」との宣言を見事に実現させた。