日本男子が3日連続で金メダルを獲得した。30日は73キロ級で初出場の橋本壮市(パーク24)が優勝。勢いはとどまることを知らない。

 橋本は底抜けに明るい性格の持ち主。決勝はリオデジャネイロ五輪2位のルスタム・オルジョイ(アゼルバイジャン)に押されながらも粘った。延長の末に勝利を収めると「よっしゃあ」と叫んでガッツポーズを繰り返し、観衆も大歓声で祝福した。

 60キロ級王者の高藤直寿(パーク24)はリオ五輪銅メダリスト、66キロ級を制した阿部一二三(日体大)はホープと知名度がある。橋本は度重なるけがや階級変更を乗り越え、26歳にして初出場にこぎ着けた苦労人。「東京五輪に向けやっとスタートを切れた」としみじみ語った。

 喜びを抑えて深々と試合終了の礼をした先の2人とは対照的に、橋本は畳を降りても両親の座る客席に向けて何度も人さし指を突き上げた。日本男子代表の井上康生監督は目を細めながらも「ちゃらちゃらしている。何とかしてほしい」と苦笑していた。