男女混合団体戦で、日本が初代王者の座に就いた。20年東京五輪の新種目に決まり、世界選手権では初実施。初戦の2回戦でウクライナ、準々決勝でドイツ、準決勝で韓国に全て5-1で勝ち、決勝はブラジルを6-0で下した。21チームがトーナメント方式で争った中、柔道発祥国の面目を保った。前日までの個人戦は男女各7階級のうち、日本は金7個を含む12個のメダルを獲得。男女同時開催となった87年大会以降、無差別級を除く7階級制覇は、10年東京大会の8階級に次ぐ2番目の好成績だった。

 初実施の男女混合団体戦は試合を終えた選手が畳の上で記念撮影するなど、お祭りムードが漂った。しかし日本は違う。女子の増地監督が「東京五輪で正式種目になる。日本のプライドを持って、男女で力を合わせて優勝を目指したい」と語ったように気迫で闘った。

 畳そばのコーチ席では井上、増地の男女両監督が激励の声を上げる。選手も応えて全力で闘い、初戦の2回戦から準決勝までの3戦を全て5-1と快勝した。

 真剣度はメンバー構成にも表れた。準決勝の韓国戦は個人で金メダルを獲得した男子73キロ級の橋本、女子70キロ級の新井ら4人のメダリストを惜しげもなく起用。中でも橋本は銅メダリストの強豪、安昌林と熱戦を繰り広げ、延長1分20秒すぎ、豪快な裏投げを決めて一本勝ちした。

 大会前には男女合同ミーティングを開き、全員一丸で目標達成を目指す「チームビルディング」の講習も受けた。団体戦のみの出場だが「チームを世界一にするのが役目」と燃える男子の中矢、「初出場の時は緊張したので、若手に目を配って声をかけたい」と語る最年長の32歳、女子の宇高のようなベテランもいる。競技の母国としての誇り、層の厚さを示し、頂点に立った。

 ◆男女混合団体 国際オリンピック委員会(IOC)が今年6月、20年東京五輪の新種目として採用を決めた。チーム構成は男女3人ずつの計6人。体重区分は男子が73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子が57キロ以下、70キロ以下、70キロ超。女子57キロ以下の軽量選手から男女交互で試合を進める。勝敗が並んだ場合は、一本勝ちを10点、技ありによる優勢勝ちを1点として換算。得点も同じ場合は、無作為に選ばれた階級の選手同士で代表戦を行う。試合時間は4分。