フィギュアスケート女子のエースで18年平昌五輪を目指す宮原知子(19=関大)が、今季初戦に予定していたフィンランディア杯(10月6日開幕、フィンランド)を欠場することになった。日本スケート連盟が4日、都内で行われた理事会後に発表した。昨季の後半を棒に振った左股関節の疲労骨折からの復活へ、グランプリ(GP)シリーズに向けた調整を優先するということだが、初戦がいきなり第4戦のNHK杯(11月10日開幕、大阪)となる。

 日本のエース宮原に、我慢の時間が続いている。日本スケート連盟からフィンランディア杯の欠場が発表された。小林芳子強化部長は「昨年からのけがは随分回復しているが、GPに向けた調整を最優先するということ。ここで体力を使いたくない、ということで辞退した」と説明した。

 全日本選手権を3連覇した後の1月半ばに、左股関節の疲労骨折が判明した。五輪の枠取りがかかった3月の世界選手権などシーズン後半の大会を全て欠場。春先は約1カ月間氷上から離れ、新ショートプログラム(SP)の振り付けは7月上旬と調整も遅れがちだった。その過程で、同月下旬のアイスショーで左足を捻挫した。8月30日の公開練習も体調不良を理由に欠席し、浜田コーチが「夏バテも含めて熱が高い」と明かすアクシデントもあった。

 これで復帰戦は、いきなりGPシリーズのNHK杯にずれ込むことになった。優勝で五輪出場が決まる全日本選手権(12月20日開幕、東京)までに実戦勘を戻せるかは不透明だ。それでも7月の時点で浜田コーチは「10月ぐらいから追い込んでいけたらいい」と股関節の完治を最優先とし、宮原も「あまり焦らずにやっていきたい」と不安を封じ込めていた。

 弱みを見せることなく豊富な練習量で現在の地位を築いたエース。懸命に調整を続けながら、ラストスパートにかける。