前年王者・富士通が、45-23の逆転でアサヒビールを下し、「川崎ダービー」を制した。

 先制したのはアサヒビール。第1Q開始12秒、富士通QBキャメロンがファンブルしたボールを、DL小林がつかんで6ヤードのTDランを決めた。キックは不成功となったが、勢いに乗ったアサヒビールは、同Q2分59秒、RB柳沢がタックルを引きずりながら、14ヤードのTDラン。キックも決まり、13-0とリードを奪った。

 富士通は、ここからQBキャメロンがWR中村へ連続TDパスを決めて14-13と逆転。しかし、アサヒビールも粘って、第2Q4分11秒、K飯島の45ヤードFGで再びリードした。

 すると、この後、富士通にビッグプレーが飛び出す。前半終了間際、DBアディヤミが相手FGトライをブロックしたこぼれ球を拾い、そのままTDと思われたが、反則で取り消し。残り0秒からの攻撃に代わると、QBキャメロンがWR強盛へ59ヤードTDパスを決め、21-16と逆転に成功した。

 後半は富士通のペース。第3Q4分37秒、RBゴードンの47ヤードTDランで突き放すと、キャメロンが自身のランとパスで2TDを追加。K納所のFGも決まり、相手の反撃をTD1本に抑えた。

 藤田ヘッドコーチは「相手はアグレッシブに勝負してきた。ぐっとこらえられたのは収穫。良い勉強になった。投げるキャメロンもすごいが、強が今日1番のプレーをしてくれた」と、崩れずに流れを引き寄せたビッグプレーをたたえた。

 立役者となった強は「飛んできたらラッキーかな、と思ってあそこにいた。取った時は頭が真っ白で喜べなかった」と本音をもらした。そして、次の東京ガス戦について「ビッグプレーはコービー(キャメロン)らに任せて、確実にやる」と地に足をつけたプレーでチームへの貢献を約束していた。