関西大学ラグビーAリーグ(1部)に所属する8校の選手と指導者が11日、京都市内の世界遺産、下鴨神社で行われた記者会見に出席した。30日に開幕するリーグ戦を前に「日本ラグビー発展の地」として知られる同神社で安全祈願や絵馬の奉納を行った。

 昨年優勝の天理大は、夏合宿で大学選手権8連覇中の帝京大や東海大、明大、流通経大と対戦。帝京大に26-33で惜敗するなど1勝3敗だったが、勝負どころでのミスなど課題を整理することができた。小松節夫監督は「負けて言うのもなんですが、近づいたと思う」と関東の強豪との差に手応えを得たようだ。

 全国4強で昨年2位の同大はフランカーの野中翔平主将(4年)が「日本一を掲げている。(FW強化をしたことで)自信がついているし、そこのせいで負けるっていう感覚はない」と言い切った。

 大学選手権で明大を破るなど躍進した昨年3位の京産大は、得意のスクラムをさらに強化してきた。元木由記雄ヘッドコーチは「ここ数年で一番、セットプレーにこだわっている。明確に(関西)優勝を意識して、1戦1戦戦っていきたい」。

 4位の近大SO喜連航平主将(4年)は「近大は優勝したことがない。その伝統を変えられるようにしたい」と意気込んだ。

 昨年5位の立命大は長所のフィジカル面を生かし、甘くなりがちだった防御面を見直してきた。中林正一監督は「開幕から天理、同志社、京産と去年の順位でいえば格上と当たる。本当にチャレンジする意識を持っていく」と上位からの勝利に意欲を見せる。

 6位の関学大フッカー赤壁尚志主将(4年)は「関学の文化を変えようと、激しい練習をしてきた。関学のプライドを取り戻したい」と躍進を狙う。

 昨季は入れ替え戦の末に残留した2校も、はい上がる。7位だった摂南大はフランカー浅田龍太主将(4年)が「僕たちの試合を見てもらえれば分かると思います」とこれまでの練習に自信のコメントだ。

 最下位からの下克上を誓う関大のプロップ藤井拓海主将(4年)も「7チーム全部が格上だけれど、1戦1戦勝っていきたい。まずは(開幕の)近大に120%をぶつけたい」とシーズンの到来を待ちわびた。

 この日は今季からリーグとコラボレーションする、月刊スピリッツ(小学館)で連載中のラグビー漫画「ブルタックル」の作者・飛松良輔氏も東京から駆けつけた。下鴨神社からは無償で記者会見場などの提供を受け、関西からラグビーを発信する強い思いが込められた時間となった。