国際オリンピック委員会(IOC)は13日、リマで総会を開き、2024年夏季五輪の開催都市をパリ、28年大会はロサンゼルスとすることを正式に決めた。

 2大会同時決定は五輪招致の深刻な冷え込みを受けた異例の措置。パリは100年ぶり、ロスは44年ぶりで、ともにロンドンと並ぶ最多3度目の開催になる。IOCと2都市による事前の3者合意が、IOC委員の挙手により満場一致で承認された。

 20年東京五輪の次の夏季大会となる24年五輪の招致はパリとロスを含む5都市が立候補したが、財政負担に対する住民の反発などでローマ、ハンブルク(ドイツ)、ブダペストが相次ぎ撤退。22年冬季五輪招致に続いて2都市しか残らなかった。五輪憲章では、開催都市は基本的に大会の7年前に選ぶことになっているが、開催能力の高いパリ、ロスの両方を確保するため、7月の臨時総会で同時決定案を承認。その後、ロスが28年大会の開催を受け入れた。

 バッハ会長は「この歴史的な2大会同時決定はIOCと両都市にとってウィン、ウィン、ウィンの状況だ」と歓迎した。

 夏季五輪開催都市の同時決定は、1921年の総会で24年パリ、28年アムステルダム両大会を決めて以来96年ぶり。

 パリはエッフェル塔周辺やシャンゼリゼ通りなどの観光名所が競技会場となる計画が特徴的で、ロスは会場の97%が既存または仮設でコスト削減を実現する。

 両都市でのパラリンピック開催も同時に決まった。

 ◆エスタンゲ・パリ招致委員会共同会長の話 パリやフランスの人々、そして五輪運動にとって素晴らしい瞬間だ。100年ぶりに五輪がパリに戻ってくる。開催計画で示した全てを実現するための準備を始めたい。

 ◆イダルゴ・パリ市長の話 歴史的な瞬間。(IOCと両都市の)3者にとっての勝利だ。1世紀ぶりに五輪が戻ってくることになり、特別な気持ち。若者に希望を与えることができる。