メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが大逆転で3連勝を飾った。

 過去10年間で一度も雨が降ったことのないシンガポールGPだったが、この日は昼間から雨が降ったりやんだりの天候で、決勝15分前に再び雨。その影響でレースは荒れ、予選で速さを見せたフェラーリ勢はスタート直後にキミ・ライコネンとマックス・フェルスタッペンが接触し、その巻き添えを食らうかたちでポールポジションのセバスチャン・フェテルもライコネンに接触されクルマにダメージを負い、冷却水を失ってリタイア。

 これで首位に立ったハミルトンは、何度もセーフティカーが導入され後続とのギャップがなくなる厳しい展開ながら一度も首位を譲ることなく58周を走り切って今季7勝目を挙げた。

 「昨日は苦しんだけど、とにかく集中して決勝に臨んだんだ。スタート直後にポジションを上げることができたのはラッキーだったけど、そのチャンスを最大限に生かすことができたと思う。セバスチャン(・フェテル)とのレースを楽しみにしていたしそれができなかったのは残念だけど、でもレースを楽しむことができたよ」。

 マクラーレン・ホンダ勢は、好スタートを決めたフェルナンド・アロンソが一気にポジションアップを狙ったものの、ライコネンと接触したフェルスタッペンのマシンに押し出されるかたちで弾き飛ばされ大きく後退。マシンのフロアにも大きなダメージを負っており、9周でピットに戻ってリタイアした。

 もう一方のストフェル・バンドーンはスタートで7番手につけ、ピット戦略でトロロッソのカルロス・サインツに先行を許し、コース上でルノーに着いていくことはできなかったものの、ウイリアムズを寄せつけることなく単独でレースを展開し7位で入賞を果たした。(米家峰起通信員)