F1第14戦シンガポールGP決勝。ストフェル・バンドーンが7位入賞を果たしたマクラーレン・ホンダだったが、決勝直前に雨が降り、スタート直後に上位3台がリタイアするという波乱の展開だっただけに、もっと上が狙えたはずという思いも残った。

 フェルナンド・アロンソ(写真右端)はスタートで8番グリッドから2、3番手の位置まで大きく浮上したものの、接触に巻き込まれてマシンに大きなダメージを負った。それがなければ表彰台も狙えたはずだと語った。

 「発進加速が素晴らしくて、ターン1に入っていった時点で僕は(優勝した)ルイス・ハミルトンの前にいたし、前にはセバスチャン・フェテルしかいなかったんだ。つまり何もなければトップを走っていたはずだった。間違いなく100%表彰台に上れたはずだし、優勝争いもできたかもしれない。でも間違った時に間違った場所にいてしまったがためにクルマに大きなダメージを負ってリタイアしなければならなかった」

 接触の影響でボディに大きなダメージを負いリアのダウンフォースを失ったほか、エンジンの排気管も割れて排気圧が落ち、排出ガスで回すターボで発電するMGU-Hからの発電ができなくなったため、まともに戦える状況ではなくなってしまった。

 アロンソの言う表彰台は大げさだとしても、カルロス・サインツの前で4位には慣れたはずだった。レース後にレース内容を分析する技術ブリーフィングを終えたホンダの長谷川祐介F1総責任者(写真)は、次のように述べた。

 「結果だけを見れば7位入賞というのは喜ぶべき結果なんでしょうけど、波乱を生かし切れなかったという意味ではちょっと残念な悔いの残る結果でした。レースで『たられば』を申し上げても仕方ないですけど、スタートの状況やレース中のペースを見れば、4位・6位に入れた可能性はあったレースでした。その大量ポイント獲得のチャンスをモノにできなかったということが残念です」